palm ―「支配、信頼」というイメージ。
have someone in the palm of one’s hand 「…を尻の下に敷く、…を支配する」
Ralph will do anything I ask. I have him in the palm of my hand.
「ラルフは私の言うことは何でも聞くの。 私の尻に敷かれているから。」
have は hold と言い換えることができる。someone の部分には、「人」だけでなく、country や the fate of the country のような「物」がくることもある。
【同】have someone on the string「…を思い通りに操る」⇒操り人形のイメージから。
【注】know someplace like the palm of one’s hand「(場所を)完全に知っている」
grease someone’s palm 「賄賂を贈る、袖の下をつかませる」
It’s a huge mistake for you to grease the policeman’s palm for the ellegal parking.
「不法駐車を握りつぶそうと警察官に金を握らせようとしたのは大きな間違いだよ。」
大きいものは賄賂から小さい心づけまで、便宜を図ってもらう見返りとして何かを渡す行為は何でも使える。
【同】scratch someone’s palm「賄賂を贈る、袖の下を使う」
【類】under the table「賄賂として、袖の下を使って、こっそりと」
finger ―「指図、非難、警告など、意思表示」のイメージ。
burn one’s fingers 「ひどい目に逢う、しっぺ返しを食う」
Don’t ask his daughter for a date. You’ll burn your fingers.
「彼の娘にデートなんか申し込むんじゃないよ。ひどい目に逢うよ。」
文字通り指をやけどしてひどい目に逢っている状況をイメージしよう。
have sticky fingers 「手癖が悪い、盗み癖がある、賄賂を受け取る」
Watch your wallet. Alan has sticky fingers.
「財布に気をつけなさいよ。アランは手癖が悪いから。」
sticky fingerというのは「ねばねばした指」ということ。ねばねばした指にくっつけてかすみ取るということ。sticky の代わりに light を使うこともある。
【類】with a wet finger「容易に、難なく」
keep one’s fingers crossed 「願いがかなうことを祈る」
Keep your fingers crossed that it doesn’t rain during the picnic.
ピクニックのあいだ雨が降らないように祈っていて!
keepの代わりにhaveも使われるが、keepのほうが祈りの度合いが強い感じである。cross one’s fingersとも言う。
【類】hope against hope「万が一の希望を持ち続ける」
→ 最初の hope は動詞で、2つめの hope は名詞。
lay one’s finger on … 「(場所)を突き止める、(原因など)を的確に指摘する」
I can’t lay my fingers on the paper, but it’s here somewhere.
「その書類の場所ははっきり分からないけど、ここのどこかにあるよ。」
地図などの場所を指で指し示している状況をイメージしよう。
【同】put one’s fingers on …「突き止める」
【類】get hold of … 「…を把握する」
lay a finger on someone 「…に手を出す、…に手を触れる、…を傷つける」
Don’t you dare lay a finger on my precious daughter!
「私の大事な娘に指一本触れさせはしないよ。」
悪意を持って手を出したり暴力を振るったりすることを言う。
【同】touch one hair on someone’s head「…に危害を加える」
【注】lay one’s fingers on …「…を的確に指摘する」
not lift a finger (no one lifts a finger) 「何ひとつしない、わずかな労さえ惜しむ」
No one lifted a finger when I had a flat tire.
「私がパンクしていたのに、誰も見向きもしなかったわ。」
ふつうは He didn’t lift a finger. のように not lift a finger のように使うが、例文のように no one が主語の場合の使い方に注意しよう。
また、下に示したように、stir(かき回す)や raise もよく使われる。
【同】not stir [raise] a finger「何もしない」
【反】go the extra mile「義務以上のことをする」
snap one’s fingers at someone 「…を呼びつける、…に来るように合図する」
Don’t snap your fingers at me! You’re not my boss!
「私を呼びつけないでよ! 私の上司じゃないでしょ!」
安レストランでウェイターを呼びつけるときに、手を挙げて指をパチンと鳴らしている情景をイメージしよう。
【注】snap one’s fingers at …「…をないがしろにする、…を軽蔑する」
⇒こちらは at のあとに「もの」がくる。
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