ナラボー・プレスのサイトでは、VOA のナチュラルスピードのニュースを、毎週1回アップしています。そして、その用語や表現などを、このブログで解説します。
ニュースソースはVOA (Voice of America)のNewscastsの2-minute newsより音声をダウンロードし、それをナラボー・プレスが英文書き起こしをしたものです。
https://www.voanews.com/voa-newscasts-2-minute
このニュースは、2021年2月7日午後7時(アメリカ東部時間)に放送されたものです。
音声とスクリプトは、ナラボー・プレスのサイトのこちらにあります。
https://www.nullarbor.co.jp/voa/news/220207_07pm.html
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his is VOA News. Via remote, I’m Liz Palka.
Via remote「リモート放送で」
US President Joe Biden met with German Chancellor Olaf Scholz at the White House on Monday.
US President Joe Biden met with German Chancellor Olaf Scholz
「アメリカのバイデン大統領は、ドイツのオーラフ・ショルツ首相と会談した」
meet は単独でも「会う」という意味を表しますが、meet with とすると、「前もって予定して会う」という意味になります。
ドイツでは「首相」に chancellor を使います。イギリスでは「大蔵大臣」という意味になるようです。
It was their first face-to-face talk since Scholz assumed power in December. In a joint press conference afterward, President Biden warned that if Russia invades Ukraine, there will be no Nord Stream 2. That’s Europe’s most divisive energy project.
It was their first face-to-face talk
「それは彼らの初めての対面での会談だった」
since Scholz assumed power in December
「ショルツ氏が12月に就任してから」
assume power は「(権力者として)就任する」。
In a joint press conference afterward
「その後の合同記者会見で」
press conference は「記者会見」。joint が付いているので、「合同記者会見」となります。
if Russia invades Ukraine
「もしロシアがウクライナに侵攻すれば」
invades のように現在形が使われているので、「仮定」の意味がありません。つまり「侵攻する可能性がある」ということです。
there will be no Nord Stream 2
「ノード・ストリーム2を停止する」
Nord Stream 2 は、バルト海の海底を通して、ロシアからドイツに天然ガスを運んでいるパイプラインのことです。
most divisive energy project
「最も混乱を生じさせるエネルギープロジェクト」
divisive は「混乱を生じさせる、不和を起こさせる、対立させる」という意味の形容詞です。
Nord Stream 2 is designed by Russian energy Giant Gazprom and is meant to double the amount of gas flowing from Russia straight to Germany.
is meant to double the amount of gas flowing
「天然ガスの供給量を2倍にする意味がある」
double は動詞として使われています。
President Biden was also asked what he thinks President Putin will do in these days ahead.
was also asked what he thinks President Putin will do
「また、プーチン大統領が何をすると思うかとたずねられた」
was asked のように受け身形が使われています。
what 以降は「間接疑問文」です。think のように「判断を表す動詞」のあとに間接疑問文が続くときは、 what などの疑問詞と<主語+述語>のあいだに he thinks をはさみます。
in these days ahead
「向こう何日かで」
these days は、通常「この数日」のように過去を表すのに使われますが、ここでは ahead を使って未来のことを表現しています。
“I don’t know that he knows what he’s going to do, and I think he has to realize that it would be a gigantic mistake for him to move on [against] Ukraine. The impact on Europe and the rest of the world would be devastated and he would pay a heavy price.”
I don’t know that he knows what he’s going to do
「彼がしようとしていることを彼が自覚しているのか分からない」
2つの he はいずれもプーチン大統領を指します。
it would be a gigantic mistake for him to move on [against] Ukraine
「ウクライナに侵攻することは彼にとって非常に大きな過ちとなるだろう」
gigantic は「非常に大きな」という意味を表す形容詞です。
「侵攻」や「戦闘」などの意味を表す場合、move on よりも move against や move into のほうが一般的に使われる表現のようです。
the rest of the world
「世界中のほかの国々」
rest には、必ず the が付きます。
would be devastated
「壊滅的なことになるだろう」
この主語は The impact on Europe and the rest of the world で、真主語は The impact です。devastate は「徹底的に破壊する」という意味ですから、「影響力が破壊される」という意味になってしまい、おかしいことにはなっていますが、意味は通じます。バイデン大統領は、the rest of the world と言った時点で、主語が the impact だったことを忘れてしまったのでしょう。
he would pay a heavy price
「大きな代償を払うことになる」
French president Emmanuel Macron held talks in Moscow with Russian President Vladimir Putin on Monday at a news conference after the meetings.
at a news conference after the meetings
「会談のあとの記者会見で」
the meetings と複数形になっているので、いくつかの国のトップと会談したことが判断できます。
Macron said during the talks with the Russian counterpart [that] he had found points of convergence over the Ukraine crisis, even while differences remained. Macron is trying to curb the threat of a Russian invasion of Ukraine.
the Russian counterpart
「ロシアの大統領」
英語のニュースでは、ある人物をいくつもの言い方で表現しますから、流れを追っていないと間違えてしまうことがあります。この Russian counterpart はプーチン大統領のことです。
counterpart は「対等の人」ということですが、こうした政治的な立場での counterpart は「会談の相手(対応相手)のことです。
he had found points of convergence over the Ukraine crisis
「ウクライナ問題についていくつかの考え方の一致を探し出していた」
convergence は「意見の合致」。
over は「~について」。
過去完了形になっているのは、時制の一致。
even while differences remained
「まだ違いはのこっているものの」
while は「~だけれども」という意味で逆接の意味を表します。
Macron is trying to curb the threat of
「マクロン氏は脅威を抑える努力をしている」
curb the threat は「脅威を抑える」。
The Kremlin had said ahead of the talks that it did not expect any immediate resolution of its stalemate with the West.
The Kremlin had said ahead of the talks
「ロシア政府は会談の前に言っていた」
過去完了形の形になっています。
it did not expect any immediate resolution of
「~の即座の解決は期待していない」
「すぐには解決しないだろう」という意味合いです。
its stalemate with the West
「西側諸国との膠着状態」
stalemate は「行き詰まり」。
Moscow has deployed more than 100,000 troops along Ukraine’s eastern border with Russia and in its ally, Belarus, with the West fearing that Putin could at any time order an invasion of Moscow’s one-time Soviet Republic.
Moscow has deployed more than 100,000 troops along
「~沿いに10万を超える兵士を配備した」
deploy は兵士や軍隊などを配備するときによく使われる表現です。
in its ally, Belarus
「同盟国であるベラルーシに」
ally は「同盟国」。
with the West fearing that Putin could
「西側諸国が、プーチン大統領が~するかもしれないという脅威を抱いているなか」
with は付帯状況を表します。
at any time order an invasion
「いつでも侵攻を命令する」
Moscow’s one-time Soviet Republic
「モスクワにとって一時はソ連領だった」
Moscow は「ロシア」を指します。ニュースでは、このように首都(首府)のある都市名で、その国のことを指すことがよくあります。
この表現は、ウクライナがかつてはソ連の一部だったことを指しています。
France, the United States and their NATO allies have rejected Moscow’s demand that they rule out possible Ukraine membership in the Western military alliance formed after World War II.
have rejected Moscow’s demand that they rule out possible Ukraine membership
「ウクライナがNATOの加盟国になる可能性を排除せよというロシアの要求を拒否した」
that 以降は、主語が they なので分かりにくいのですが、仮定法現在になっています。動詞が原形です。demand のように強い要求を表す動詞に続く that 節の中では仮定法現在が使われ、動詞が原形になります。主語が三人称単数の場合でも、動詞は原形で「3単現のs」は付きません。
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それでは来週もお楽しみに。
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