アメリカ映画に出た表現 ― wax on, right hand, wax off, left hand


アメリカ映画で使われた重要表現を学習しましょう。
今回の表現は、1984年の映画 The Karate Kid『ベスト・キッド』に使われた wax on, right hand, wax off, left hand です。

 空手を習いたいとやって来たダニエル少年に空手を教えるのは、ミヤギという日本人(日系人)です。最初、ミヤギ役は三船敏郎にオファーが出されていましたが、三船が断ったために、日系二世のノリユキ・パット・モリタが選ばれたといういきさつがあるそうです。

 俳優のパット・モリタはアメリカ生まれの日系二世ですから、完全なアメリカアクセントの英語を話します。ほかの映画ではそうです。ですが、この The Karate Kid では日本人役という設定ですので、わざと日本人訛りの英語になっています。

 動画は、ここにあります。
https://learningenglish.voanews.com/a/5593613.html

字幕の表現を見ていきましょう。

Welcome to English @ the Movies – American Classics where we teach you American English heard at the movies.
「『映画の英語 ― アメリカの名作』にようこそ。ここでは、映画に使われたアメリカ英語について学習します」

The 1984 movie “The Karate Kid” tells the story of teenager Daniel LaRusso and Mister Miyagi, a martial arts expert.
「1984年の映画『ベスト・キッド』は、10代の若者ダニエル・ラルッソと格闘技の達人であるミスター・ミヤギの話です」
 martial は「好戦的な、戦争の」という意味で、martial art は「武術、武道」です。つまり「戦いのための技、術」ということですね。

Daniel wants to protest himself against some boys who threaten him repeatedly.
「ダニエルは、彼を繰り返し脅してくる少年たちから自分を守りたいと思っています」

Mr. Miyagi agrees to teach Daniel karate but only if he follows Miyagi’s directions – with no questions asked.
「ミスター・ミヤギはダニエルに空手を教えることに同意しますが、ダニエルがミヤギの指導を守ることだけが条件です。つまり、質問はいっさいしないことです」
 follow は「言うことを聞く、ついてくる」。

Listen for the words “wax on, wax off.”
「wax on, wax off という表現を聴いてみましょう」

First, wash all the car. Then wax.
「まず、あの車全体を洗うのだ。ワックスをかける」
 all the car の car が単数ですから、1台の車で「車全体に」ということになります。

Wax …. Why do I have to wash all the car?
「ワックスって? なぜ僕が車全体にワックスをかけなきゃならないんです?」

Wax on, right hand.Wax off, left hand.
「右手でワックスを塗る。左手でワックスを拭き取る」
 on で「塗る」、off で「拭き取る」です。

Wax on, wax off.
「ワックスを塗る、ワックスを拭き取る」

Show me wax on, wax off.
「ワックスオンとワックスオフを見せてみろ」
 me のあとに how you などが省略されていると考えると、構文が分かります。

Simple exercises can teach valuable skills.
「シンプルな稽古が貴重なワザを教えることになる」

Mr. Miyagi knew that the simple moves he taught Daniel would lead to an understanding of important karate skills.
「ミスター・ミヤギは、彼がダニエルに教えるシンプルな動きが重要な空手のワザを理解することにつながるのを知っていたのです」
 the simple moves のあとに関係代名詞が省略されています。would lead の主語が、先行詞である the simple moves です。
 would は仮定法ではなく、時制の一致で過去形になったものです。


動画の下にセリフが表示されますので、音声と確認しながら学習しましょう。

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