in denial
アメリカ映画で使われた重要表現を学習しましょう。
この表現は、2021年秋(この秋)にアメリカで公開予定の Encanto (邦題は『ミラベルと魔法だらけの家』)というディズニー映画に出てきます。
舞台は南米コロンビア。その奥地に、いろいろな魔法を持つ「マドリガル家」という家族が住んでいます。家族に1人、魔法を持たないミラベルという15歳の少女がいます。このミラベルが主人公です。
動画は、ここにあります。
https://learningenglish.voanews.com/a/5976813.html
字幕の表現を見ていきましょう。
Welcome to English @ the Movies – American Classics where we teach you American English heard at the movies.
「『映画の英語 ― アメリカの名作』にようこそ。ここでは、映画に使われたアメリカ英語について学習します」
The animated movie “Encanto” takes place in the South American country of Colombia.
「アニメ映画『ミラベルと魔法だらけの家』は、南米のコロンビアという場所が舞台です」
take place と happen の違いに注意しましょう。混同して使う人もいますが、使い方が違います。take place は「予定していたことが起きる」ことに使います。いっぽう happen は「予期していなかったことが起きる」ことに使います。
ですから、事故や地震などに take place は使いません。
The Spanish word “encanto” can describe pleasing magical powers.
「スペイン語の encanto は魅力的な魔法の力を表現します」
describe は「表現する」という動詞。名詞形は description です。
pleasing は「人を喜ばすような、楽しい、満足がいく」という意味を表します。
Everyone in the Madrigal family possesses one – except for Mirabel.
「マドリガル家のみんなは魔法の力を持っています — ミラベルを除いて」
possess は「所有する、保有する」という意味の動詞です。名詞形は possession で、サッカーの試合などで「ボールの支配」という意味で使われたりしますね。
except for は「~を除いて」という意味。except だけでも、同じ意味で使われます。
To make her feel better, she is given a gift basket.
「彼女の気持ちを和らげるため、彼女はギフト・バスケットをもらいます」
make は使役動詞で<make+目的語+動詞の原形>の形をとり、「~を…にする」という意味を表します。
To 以降は「目的を表す不定詞」です。
she is given という受身形が使われていることにも注目しましょう。
Listen for the words “in denial.”
「in denial という表現を聞いてみましょう」
「~を聞く」という表現は listen to ~が一般的ですが、この listen for は「じっくり聞く」という意味合いです。
Gift or no gift, I am just as special as the rest of my family.
「魔法のギフトを持っていても持っていなくても、私は家族のほかの人たちと同じようにまったく特別なのよ」
ここでの gift は、動画ではもらったギフト・バスケット、つまり「プレゼント」という意味ですが、「ほかの家族と同じ」と言っていることから、「魔法の力」という意味も含まれていると考えられます。
Gift or no gift の部分は、一種の仮定法になっています。With gift or without gift と同じような意味と使い方です。
the rest 「残りの人、もの」。rest には必ず the が付きます。
Who wants more pink?
「もっとピンクがほしい人は誰?」
pink は形容詞では pink-pinker-pinkest のように比較変化しますから、more pink は誤用ということになりますね。ここでは pink は「ピンク色の物」という名詞で使われているのでしょう。
All right guys, where do I drip the wagon?
「いい? みんな。荷車はどこで降ろせばいい?」
字幕では All right のあとにコンマがありませんが、guys は呼び掛けの言葉ですから、表記のルールでは All right, guys, のようにコンマを付けるのがよいでしょう。ちなみに、guys と呼びかけるのは男性だけでなく女性がいるときでも使えます。
Maybe your gift is being in denial.
「たぶん、あなたのギフトは in denial なのかも」
進行形が使われていることにも注目。
What do you think “in denial” means?
「in denial はどういう意味だと思いますか」
(A) A feeling that others don’t accept you
「ほかの人たちがあなたのことを認めない感情」
or (B) Fooling yourself about the reality of your situation
「あるいは、(B) 自分の身の程を知らずにバカを見ること」
Listen again.
「もう一度聞きましょう」
The answer is (B) Fooling yourself about the reality of your situation.
「答えは『(B) 自分の身の程を知らずにバカを見ること」です」
Mirabel might be special, but her family will not let her forget that she does not possess their pleasing magical powers.
「ミラベルは特別かもしれませんが、家族は、彼女がすてきな魔法の力を持っていないことを忘れないようにと伝えます」
let her forget は「忘れさせない」。使役動詞の用法です。
in denial は「現実から目をそらして」という意味のイディオムです。ですから、上のMaybe your gift is being in denial. は「きっとあなたのプレゼントは意味のないものかもね」のような意味合いでしょうか。
And that’s English @ the Movies.
「映画で英語表現でした」
動画の下にセリフが表示されますので、一時停止しながら、音声と確認しながら学習しましょう。
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