「~と異なる、違う」には、different from ~ と different than ~ という表現がよく使われます。イギリス英語では different to ~ が主に使われるようです。
そして、「different from のかわりに different than も使われるようになった」という声があったり、「different than は間違いで、正しい用法はdifferent from だ」という意見を聞いたりします。
しかし、実は、この2つはいずれも正しい用法です。もともと文法的な違いがあったのですが、両方を混同して使うネイティブ・スピーカーも多いというわけですね。
次の2 つの文を比べてみてください。
Their model is different from ours in its power requirements.
「彼らの機種は所要電力の点で私どものとは違っている」
The ad looks much different than I thought it would.
「その広告は、私の思っていたのよりずっと違って見える」
from とthan のあとに注目してください。
from は前置詞ですから、あとには名詞や名詞句が続きます。最初の文の ours 以降は語句です。ですから from が使われて大丈夫なのですね。
いっぽう、than は前置詞でもありますが、接続詞の働きもあり、あとに「節」を続けることができます。I thought it would は「節」ですから、2つめの文では than が使われているというわけです。
1 つめの文を different than で言い換えることはできません。
そして、2 つめの文は different from を使って言い換えることができますが、その場合は、
・The ad looks much different from what I thought it would.
のように、関係代名詞の what を使って from のあとを「名詞節」にする必要があります。前置詞である from のあとには、名詞(句)しか続かないからです。
ここをクリックしてみてください。
コメント