-o で終わる名詞の複数形に付く -es と -s の違い

 昔、アメリカのブッシュ大統領 (父親のほう) の副大統領候補が、大統領選挙のキャンペーンでニュージャージーの小学校を訪れました。

 そこでは英語のつづり方のコンテストが行なわれており、ある少年が黒板に potato と書いたところ、それを見ていたクエール氏は 「惜しいネ」 と言って、少年が書いた potato という文字の後ろに e を付け加え、potatoe としたのでした。

 その副大統領候補はダン・クエールという人で、喰えーるどころか喰えない話でした。

 この副大統領候補は、potatoes という複数形のつづりは知っていたわけですね。ま、そりゃそうでしょうね。
 
 そして、複数形の語尾には -s が付くというルールに則って語尾から -s だけを差し引き、potaoe というつづりを残してしまったわけですね。

 さて、私たちは、-o で終わる単語の複数形には -es が付く場合と -s が付く場合があると習うかと思います。

 【例】 potato  →  potatoes
     tomato  →  tomatoes
     photo   →  photos
     piano   →  pianos

 なぜでしょう? そして、違いはどこから来るのでしょうか。

 もともと、-o で終わる単語の複数形には -es しか付かないのです。そして、-s しか付かない単語は、源語に原因があるのです。

 語尾に -es が付く tomato も potato も、もともとこのつづりですが、photo は、もともと photographなのです。そして、piano は pianoforteです。

 こうした単語は -o で終わるわけではありませんから、複数形には -s のみが付くというわけです。ですから、略語になっても、複数形には -s のみが付くというわけですね。

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