今世紀の初め、イラク戦争の頃、フランスがアメリカのイラク侵攻に反対したというのでアメリカ国民が怒り、アメリカ議会の食堂から french fries をなくしたり、freedom fries と名前を変えたファーストフード店が現れたりした。
そうした行動に、今度は「french fries の french はフランスという国名から来たのではなく、french は『細切りにする』という動詞であり、そこから来た名前であるから、french fries をやり玉に挙げるのは濡れ衣だ」という投書があったりした。
Dictionary of Word and Phrase Origins(Harper Collins) という辞書では、french fries は 『細切りにする』という動詞から来ている」という説明になっている。
この説明では、french ではなく、大文字の French を使っている。The Associated Press Stylebook という表記法のガイドブックによると、次のようになっているので、ここで私は小文字を使っている。
Lowercase words that are derived from a proper noun but no longer depend on it for their meanings: French fries, herculean ….
「固有名詞から派生しているがすでに意味がその固有名詞に依存していない小文字で始める名詞には次のようなものがある: French fries, herculean
上の herculean という語は、ギリシャ・ローマ神話のヘラクレスという英雄から来た語で、今では「(仕事などが)大きな力を要する、非常に困難な」という意味で使われる形容詞。
ところが、このような記事もある。リンクでご覧いただきたい。
下から5段落めの By the way で始まるところで次のように述べている。
「OED(Oxford English Dictionary)に french という動詞が収録されたのは 1895 年あたりであり、french fries potato という食べ物は、それよりずっと前の1800年代半ばから一般に知られていたわけだから、french fries は、やはりフランスという国名に由来するのである」
結局、わからないということになる。
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