前回の記事に、College of the Desert の授業では、English as a Second Language(ESL)のほかにカレッジ・コースも受けられるようになったことを書いた。そして、テストを受け、「Introduction to Journalism(ジャーナリズム入門)」という授業を受け始めた。
やはり ESL の授業とは格段に違い、先生の話もあまり理解できなく、最初の頃は assignment (宿題)も聞き逃したりした。
assignment として、ある映画を見て感想文を書くというのが出た。
課題の映画は Network (邦題は『ネットワーク』)という映画。ウィリアム・ホールデン、ピーター・フィンチ、フェイ・ダナウェイたちが出演。視聴率に踊らされるテレビ界の狂騒を描いたものだった。
個々に映画館で観るようにということだった。
字幕が付いているわけではないし、人物関係が複雑に織り混ざっているので、ほとんど理解できなかった。そして、感想文を書いて出したが、評価は「何も理解していないようだ」だった。
アメリカ人のルームメイトと観に行き、いろいろと訊けばよかったと後悔したが、あとの祭り。
Introduction to Journalism の授業時間は60分だった。こういう授業もあった。
初めの20分間、大学のほかの先生がやってきて話をする。その後40分で、その要旨や感想を書いて提出するというもの。ジャーナリストとして、インタビューや講演を聞いてからの記事を書くというトレーニングの一環だった。
これも、最初はとても太刀打ちできるような感じではなかったが、学期の最後のほうになってくると、40分で記事が書けるようになってきた。
ジャーナリズムの授業でいちばん大変だったのは、読後感想文だった。
Blind Ambition という500ページほどのペーパーバックを読んで、読後感想文を書く assignmentだった。
著者の John Dean という人は、Wikipedia によると、ウォーターゲート事件の首謀者であり、そのもみ消しに奔走して、その後、訴追免除と引き換えに上院ウォーターゲート特別委員会で重要証言を行った人物だそうだ。
私のその当時の reading speed は、ペーパーバックであれば「1時間に6~7ページ」だった。
課題の本の内容がウォーターゲート事件に関するものだったし、いろいろと専門用語が使われており、また、登場人物の相関図を理解したりするのに時間がかかった。
500ページを6で割ると、84時間。1日に15時間読んだとして6日かかる。課題の感想文の分量は、確か1,000ワード以上というものだったと記憶している。
私は大学のコースと併行してESL(English as a Second Language)プログラムも受講していたが、これではとてもESL の授業を受ける時間は取れないと判断し、ESL の担当者に事情を話して休ませてもらうことにした。
ペーパーバックを読み終え、感想文を書いてそれをタイプし終えたときは、本当にうれしかった。
寝る時間も惜しんで勉強したことが、アメリカの大学で勉強しているんだなと思わせる感慨深い日々であった。
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