英語が聴き取れない原因は何でしょう?

 突然ですが、次の音声を聴いてみましょう。いちばん左の三角マークを押してください。

 どうですか。聞き取れなかったとしたら、何が原因なのでしょうか。 スピードが速すぎたからでしょうか。
 それでは、同じものを少し遅くして聴いてみましょう。

 どうでしたか。おそらく、聴き取りの度合い(聴き取れない)には変化はなかったのではないでしょうか。聴き取れない英文は、遅くしても「やっぱり聴き取れない」だったと思います。

 それでは、次の音声を聞いてみましょう。

 どうでしたか。 聞き取れて、意味も理解できたのではないでしょうか。実は、この英文は、最初に聴いた英文と同じ内容のことをやさしく言い換えているものです。
 音声のスクリプトは、下の英文です。読んでみてください。

When we speak simply, it is quite easy for the listener to understand what we mean. We should use easy words. We should also use short sentences.

 すらすら読めて、内容もすんなり理解できたのではないでしょうか。

読めない英文は聴き取れない

 最初に聞いた、聴き取りにくかったのは、下の英文でした。読んでみましょう。

Conveying a message via employment of non-convoluted expressions and relatively non-complex syntax significantly lowers the level of difficulty for the audience to comprehend the content.

 日本語にすると、次のようになります。
  「複雑ではない表現や比較的簡素な構文の使用を通してメッセージを伝えることは、聴き手が内容を理解する困難さを著しく軽減します

 つまり、「簡単な単語や文を使って伝えれば、相手は難なく理解してくれる」ということです。

 この英文は、読んでもなかなか意味が取れないかと思います。ポイントはここなのです。読んで意味が分からない英文は、何度聴いても理解することはできないのです。

 同じ内容のことを言っていても、むずかしく言うと聴き取れません。次の音声は、中くらいの難度で書かれたもので、同じ内容を伝えようとしているものです。聴いてください。

 スクリプトと意味は、次のとおり。
 Good speakers employ two techniques to make their messages more understandable. First, they adjust the vocabulary to suit the audience. Second, they avoid lengthy sentences or unusual structures.
「うまい話し手は、メッセージが伝わりやすいように、2つのスキルを用います。まず、聴き手に合わせて語彙を調整します。2つめは、長い文や尋常ではない構文を避けます」

「理解スピード=読むスピード」

 私たちは、書かれたものを読むスピードで内容を理解します。やさしい内容のものは速く読めても、むずかしい内容のものを読むときにゆっくりになってしまいます。これは、理解スピードが遅くなるからです。これは、日本語でも英語でも同じことが言えます。

英文は読めるのに、聴き取れない?

 「日本人は英語の読み書きはできるが、聞くと話すができない」と、ずっと言われ続けてきました。しかし実際には、学校の授業などで読んでいるスピードは、とても「読める」とは言えないスピードなのです。

ネイティブ・スピーカーが話すスピードで読めることが重要。

 ネイティブ・スピーカーは、1分間に150語くらいで話すと言われています。つまり、そのスピードで理解するスキルが必要なのです。

 上で「理解スピード=読むスピード」だと述べました。
 つまり、ネイティブ・スピーカーが話す1分間に150語の英語を理解するためには、それと同等以上のリーディング力が必要だということなのです。

 日本の大学生のリーディングスピードは、1分間に100語行けば「英語ができる」人たちのようです。しかし、1分間に100語しか読めなければ、1分間に150語で話す英文は理解できません。

 1分間に150語で読めるリーディングスピードをつける学習をしていきましょう。

 そして、読めるようになれば、「適正インプット」を通してリスニング能力を伸ばしていきましょう。下の本を、Amazonでお求めください。クリックすると、Amazonにリンクします。

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