「親が子に習わせたいのは英会話」で、63%の親がそう希望しているというアンケート調査が出たそうだ。そして、すぐにスピーキングという結果が出る学習方法が求められている。
しかし、英語のスピーキングができるようになるためには、語彙力、文法力、読解力といった基礎力が不可欠だ。こうした基礎力が備わっていないのに、拙速にスピーキングを教えようとしても、時間がかかるだけである。空滑りするだけである。
ノーベル賞を受賞した先生方は、例外なく「基礎研究が大切だ」とおっしゃる。そして、最近の日本は、拙速に結果を求めすぎると。
英語教育もこれと同じ。拙速にスピーキングを求めても、達成感を感じる学習者が少ないのは、基礎力をおろそかにしているからだ。
さて、英語能力を次の4つに分けるのはよく知られている。いわゆる「4技能」である。
リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング
私は、こうではなく、次の2つに大きく分けて考えるべきだと思っている。
理解言語: リーディングとリスニング
表現言語: スピーキングとライティング
理解言語は、自分で自分の進捗が判断できる。読んでみて、「これはまだむずかしすぎる」とか「これだったら読める」と、自分で判断できる。人に判断してもらう必要はない。
リスニングも同じである。なので、理解言語は独学が可能である。
いっぽう表現言語は誰かに判断しもらわないと、正しい英語なのか通じる英語なのかは、自分では判断できない。なので、表現言語は、独学で極めることはできないのである。
もう1つ。「理解言語は常に表現言語に先んじ、そして大きく上回る」のである。つまり、理解言語をおろそかにすると、表現言語は絶対に追いついてはくれない。
また、書店の学参コーナーには、文法、読解、単語対策しかなく、スピーキングの本がほとんどないという意見も多い。これを「時代錯誤」だとか「古色蒼然」と言う人もある。
上で述べたように、自分で自分の学習進捗を実感できるのは「理解言語」であり、「表現言語」は、相手がいて判断してもらわないと、その進捗度が分かりにくい。
こういうことからも、独学用のスピーキング対策本が生まれないのは、言わば当然のことなのである。
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『TOEICⓇ L&R Test を使って、英語の4技能を効果的に伸ばす方法』 | Nullarbor Press Blog
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