マーク・ピーターセン著『心にとどく英語』(岩波新書)に、映画『卒業』(1967年)に出てくるセリフを使って現在形の意味合いを解説しているところがある(p.15~16)。
パーティーのあと、ミセス・ロビンソンは主人公のベン(ダスティン・ホフマン)に家に送ってもらうと、彼を家に引き入れ、ホームバーに連れて行き、次のように言う。
What do you drink? Bourbon?
マーク・ピーターセン氏が見たビデオの日本語字幕には 「バーボンでいい?」 とあったそうだ。
氏が指摘するには、What do you drink?は「いつもは何を飲んでいるの? (もう大人だから何か飲んでいるんでしょ?)」という意味であって、これから何が飲みたいかではないという。
話は突然変わるが、William Kattという俳優が主演の『First Love(初恋)』という映画がある。1977年の古い映画。
初めてこの映画を見たときは、次のシーンの Do you come? というセリフを、過去形の Did you come? だと理解していた。
Elgin: Do I satisfy you?
Caroline: Yes, in a lot of ways.
Elgin: Like … wait a minute … no.
Caroline: Where are you going?
Elgin (now sitting up): Do you come?
先日、たまたまネットでヒットし、観てみた。なんと現在形だったのだ。
「過去形と現在形では、意味合いがまるっきり違ってくるなあ」 と思ったのだった。
この少し後に次のセリフがあるのだが、最初観たときにはしっかりと聴き取っていなかった。
Elgin: Do you come with everybody, all the guys you sleep with?
Did you come? だと男性に責任があるように聞こええるが、現在形の Do you come? だと、女性に責任があるように聞こえ、上のセリフでも、少し責めているニュアンスがある。
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