カリフォルニアの青い空 ― 27. 「little =少し」のこと

 カリフォルニア州 Palm Desert にある College of the DesertESL(English as a Second Language)の先生が小さな犬(チワワ)を飼い始めた。その先生は日本と日本人が大好きだったので、その犬に日本語の名前を付けたいと思った。

 カフェテリアで日本人の学生たちとコーヒーを飲んでいたとき、先生が、My new dog is so little and cute. と言い、ヤマダという日本人学生(男)に「littleは日本語で何?」と訊いた。

 するとヤマダは、「少し」と答えた。

 英単語を1つの語義で覚える受験勉強の「成果」とも言える。先生は My new dog is so little and cute. と言ったのに、即座に「少し」が出てきたわけである。

チビ」とか「豆助」とでも言えばよかったのかもね。

 私はその席にいなかったが、ほかの日本人学生もそれを修正しなかったわけである。

 そして、可哀想にというか、そのチワワは Sukoshiという名前にされてしまった。

 これは1976年の夏のことである。

 その13年後の1989年の夏に砂漠の町を訪れたときに、その先生の家を訪問すると、Sukoshiは健在だった。

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