「~円からお預かりします」と out of ten

 キャッシュレスが進んで、コンビニでも「~円からお預かりします」を聞かなくなりつつあるが、乱れた日本語としてやり玉に挙げられる代表的な表現でもあった。

 この表現はどこから来たものだろう?

 昔、アメリカでドーナツ屋のバイトをしたことがある。本当は違法だったが、奥でドーナツを作っているだけだったら見つかるまいと思い、お金も入ることだしと、始めることにした。

 少し経って慣れてきた頃、経営者に「レジもやってくれ」と言われた。イミグレーション・オフィサーに見つかったらヤバいなと思ったが、おそるおそるレジに立ったりした。

アメリカでの釣り銭の渡し方

 アメリカでは、例えば2ドル50セントの買い上げで10ドル紙幣を渡されると、次のように言いながら釣りを渡す。

   OK, out of ten, three, four, five and ten.

 まず50セントを渡して Three. と言う。つまり、買った金額の<2ドル50セント+50セント>で3ドルになる。そのあと、Four, five. のように言いながら1ドル紙幣を2枚渡す。

 最後に5ドル紙幣を渡して、Ten. と言い、もらった10ドルにするわけである。
 
 この最初の OK, out of ten. の部分が、コンビニのシステムがアメリから導入されたときの英文のマニュアルに書いてあり、おそらく、out of … を「~から」と訳したのではないか。「~から」だけでは何のことか分からないので、「~円からお預かりします」という日本語になったのではないか。

 そして、それがコンビニ開店前の研修で使われ、次第にコンビニの店員の口調になっていったのだろう。

と私は思っている。

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