赤井田拓弥がカリフォルニア州 Palm Desert にある College of the Desert に留学していたときに起きた、さまざまな出来事をエッセイ風に書いています。
私が2年間(22か月)勉強することになる大学がある Palm Desert やその周辺地域(Coachella Valley という)は、もともと砂漠地帯である。
ここでの生活をつづっていく前に、この地のことを少し書いておこう。
ロサンゼルスの東、約130マイルのところにあり、フロリダ州まで続く州間高速道路(interstate freeway)10号線近くにある。実際は、10号線から少し南にある州道111号線(One Elevenと呼んでいる)沿いにある。
この州道111線は、州間高速道路10号線からパームスプリングスの北のほうで枝分かれして南に向かう州道で、北のほうから Palm Springs、Cathedral City、Rancho Mirage、Palm Desert、Indian Wells、La Quinta、Indio、Coachella という町がある。Coachella の近くには Salton Sea という大きな塩湖がある。
この Coachella Valley は、valleyと呼ばれるだけに盆地である。一帯はもともと砂漠で、映画『アラビアのロレンス』のロケ地にもなったという。多くの地帯が海面下であって、砂漠でありながら地下水は豊富である。
太平洋から高地を越えて吹いてくる風でフェーン現象が起きるのか、いつも乾燥して暑い。年間に雨が降るのは1日か2日くらいで、Wikipedia によると、次のような表記がある。
It has an average 335 days of sunshine, and total of 156 days of high temperatures over 100 °F (38 °C).
「晴天の日が平均335日、摂氏38度を超える日が156日ある」
残りの30日は雨かと言うとそうではなく、曇りである。雨は降らないが地下水が豊富なのと、コロラド川から引いた灌漑用水のおかげで、農業もさかんである。
雨が降らず冬でも暖かいところなので、ハリウッドのセレブたちが大きな屋敷を持って住んでいる。ゴルフ場も多い。特に Palm Spring という町は有名で、何度も映画の舞台となっている。セレブたちの屋敷がどれほどの豪邸なのかは、のちのちエピソードとして書いていくつもりである。
私がこの町に着いたのは、1976年8月5日である。日本を出たのは8月4日だが、アメリカに着いたのも8月4日で、この砂漠の町に着いたのはその翌日なので、8月5日である。
夏の真っ盛りで、暑い日だった。おそらく40度は超えていた。そして、この40度を超える天候は11月の半ばくらいまで続く。